ちひろ美術館 〜 WT邸 周辺 建物探訪


 先日完成したWT邸は東京都練馬区石神井に位置します。新青梅街道からも近く、西武新宿線へのアクセスも悪くありません。そんな石神井ですが、ここでの生活経験がない私にとって、WT邸周辺情報には疎いまま・・・(笑)。この「物足りなさ」を埋めるため、現場監理の合い間を見計らって建築家T氏と共に散策を開始・・・歩くこと十数分・・・「ちひろ美術館」を見つける事ができました。



 「ちひろ」とは・・・もちろん「いわさきちひろ」さんの事です。御生家の跡地を美術館とされたのが1977年・・・その後1997年に長野に「安曇野ちひろ館」が竣工、さらに2002年には開館25周年事業として東京の美術館を建て直し、全館バリアフリーの「ちひろ美術館・東京」に生まれ変わったのです。


 この美術館 不思議な平面形状をしています(平面図はコチラ)。しかし、この鋭敏な平面形からは凡そ想像がつかない「なめらかにつなぐ・流れる」という心地よい空間の連係をしっかりと体感する事ができました。カタチが決して奇をてらったものではないという事の証です。



 一方、外観はと言えば、平面図からは想像がつかない・・・敢えて言うなら「無理」を感じない建物に見えるのです。挑戦的ではなく、むしろ見る者に安心感を与えます。「これこそが内藤さんの真骨頂なのかな」と、今になってひしひしと感じています。




 そう、この美術館を設計したのは、建築家 内藤廣さんです、内藤さんの作品を初めて訪れたのは今から7年ほど前・・・三重県鳥羽市にある「海の博物館」です。教え子数人と訪れたのですが、そこで驚かされたのは、ランドアートにも通じる石の配置、海と陸のレベルを巧みに操る配棟、大断面の梁による偉大なる内部空間構成です。「建物単体で理解される建築家ではないのだ」・・・当時、感じた事が、ちひろ美術館で再び体現できた事に驚きと嬉しさを感じました。この「ブレのない建築スタイル」・・・素晴らしいです。


 それとともに、内藤さんが形態としての建築に終始する状況からスタンスを置いている事も実感しました。一見して無理のない・・・しかし、その中に強烈なパワーが潜む空間が用意されているのです。そのあたりについて、松岡正剛氏もご自身のサイトで論じていましたので、今晩じっくり読む事とします。



 訪れた時間が平日のお昼時という事もあって、館内には女性の姿が目立ちました。ちひろ美術館にはオーガニックカフェがあります。どうやらそれがお目当てという方も多いようですね(笑)。ここで私たちもちょっと休憩・・・「具だくさんのおかずタルト」とコーヒーを頂きました。噂によれば、このタルト 美術館近くのカフェのマスターが作られているそうです。たいへん美味しかったので、近いうちにそのカフェを探しに行きたい・・・そんな気分にさせてくれる「ちひろ美術館」での ひとときでした。



こちらはT氏のディッシュです。


(文:久保田正一




■関連サイト

1)ちひろ美術館 http://www.chihiro.jp/
2)内藤廣建築設計事務所 http://www.naitoaa.co.jp/
3)海の博物館 http://www.umihaku.com
4)松岡正剛の千夜千冊 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1104.html




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今回も お読みいただき ありがとうございました