オーダーキッチンの魅力


 今回は昨年末 静岡に完成した住宅のキッチンを ご紹介します。私とクライアント(お客さま)との間で昼夜にわたって繰り広げられた打合せの中で、間取り・デザインなど全体構成の次に大きなウェイトを占めた(=時間をじっくりかけた)のが、このキッチンに関する打合せです。ここにはカタチ・デザインだけでなく、機能・家事動線・収納計画・家電器具など様々な要素が入り込み、決定には慎重な判断が必要です。当初はシステムキッチンをベースにコーディネートしてゆくよう考えてゆきました。相談したメーカーさんも10社近く・・・しかし、システムキッチンの場合、その組み合わせ段階で各社の「得意技」があり、当方+クライアント(お客様)の希望からみて「あと一息!」という部分が発生してしまいます。ここをどう判断するか・・・話し合いの結果、キッチンを一から制作=オーダーキッチンとする事で話を進めてゆきました。



 制作を依頼したのは、静岡市清水区西久保の「インターワークス喜久屋」さん・・・私が静岡で住宅を計画する際、何度も手を借りています。ちょっと前に お願いしたキッチンは「タイルトップ+ウッドパネル」の組み合わせ( ココをclick! )でしたが、今回は御覧のとおりクールモダン・メタリックな表象を示すものとなっています。1/4円のR型(弓形)パーツにはシンクのみ、そしてI型パーツにはIH調理器と食器洗い乾燥機、それとステンレスボディのガラスパネル入レンジフードが採用されました。



 オーダーキッチンと聞くと「高いでしょう?」と聞かれます(笑)。でも、そこはデザイナーの計画+お客様の使い方の熟慮次第で費用を抑えられるものだと思いますよ。オーダーキッチンを希望するクライアント(お客様)に対して、私は「収納を機能化・簡素化する事を考えましょう」と申し上げます。システムキッチンにしてもオーダーキッチンにしても、意外にコストがかかるのが「箱モノ」の制作です。たとえば、その「箱」の部分に相当する部分に既存所有の食器棚を持ち込んだり建築工事で造りつけの棚を制作してもらう事によってコストダウンにつながります。また、オーダーキッチン下部は できるだけ箱を作らず、「可動開放棚」とするのです。こうすることで、前面パネル・引き出しの箱・それに伴う丁番・取手などの金物類も少なくなるためコストダウンを図る事ができます。ちなみに、今回は電気系器具がビルトインされるI型パーツはパネル使用でまとめ、R型パーツ下部に関しては前面開放としました。



 カウンタートップはステンレス 厚さ3mmの切板・・・表面を「バイブレーション加工」としました。ステンレスのキッチンカウンターを作成する場合、一般的には「ヘアライン加工」という 一方向に髪の毛のような細いすじを入れた磨き加工をする事が多いのですが、今回はR型パーツでは そのヘアラインが形態にマッチしないという事で一考・・・ランダムな「目」を出す手法として、この「バイブレーション仕上げ」を採用したのです。みなさんよく御存知のメーカーさんで言えば・・・トーヨーキッチンさん、amstyleさん、ekreaさんなどの製品に その表面は近いものと思われます。



 レンジフードもシンプルかつスタイリッシュ、また キッチン前壁は アイカ セラール メタリック不燃パネルを採用し、火にも水にも強いインテリア・ウォールとなっています(そう、ステンレスのように見えますが、実は不燃キッチンパネルなのです=笑)。これらオーダーキッチンの器具選定に関してはクライアントと共に様々なアイテムを検討し、絞り込んでゆきました。その努力の「結晶」として、今回も 住まい手に愛されるキッチンが完成したのです。


 さて、みなさんの理想のキッチンは どのようなものでしょうか?
 機会があれば ぜひ 教えて下さいね。



(文:久保田正一



■参考


有限会社インターワークス喜久屋 TEL 054-367-6810

電磁調理器(日立) http://kadenfan.hitachi.co.jp/ih/index.html

食器洗い乾燥機(リンナイ) http://rinnai.jp/products/kitchen/kitchen_dryer/kd_point

レンジフード(ハーツ) http://www.hhjapan.com/range/index.html

水栓(カクダイ) http://www.kakudai.ne.jp 

本体化粧板・キッチンパネル(アイカ) http://www.aica.co.jp


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なかのひと


今回も お読みいただき ありがとうございました