11章「タイル工事」


 
 今回はタイルの話です。タイルは建物の壁や床などの部位に貼ることで建物を保護しながら装飾をほどこす役割を担っています。以前と比べ 事例としては少なめではありますが、今も浴室や台所をはじめ 外壁をタイル貼とする事で瀟洒なイメージを醸し出す住宅になります。また、タイルは塗装を施した壁に比べて表面が頑丈かつ汚れにくいものです(汚れやすいとされる目地も 最近では防カビ剤を使用の汚れにくい製品があります)、また部分的な補修も タイル1枚ごとに施工可能なため メンテナンス性が非常に高い材料と言えます。さらにタイルには多種多様な色・形・柄があり、組み合わせによって建物に様々な意匠を凝らす事が できます。



 タイル・・・その歴史は大変古く、過去を遡ると 粘土を固めて日光で乾燥させて固める「日干し煉瓦」が原点だと言われ、最古のもので紀元前7000年まで遡ることになります。それが時代を重ねて改良され、その土地の風土や文化を取り入れながら 今に至っています。その結果、粘土の種類、模様、焼きの温度など多様な組み合わせによって 数多くのタイルが世界中で作られているのです。



 タイルは接着剤やモルタルを使って建物本体に貼りつけます。その際、あらかじめ施工面積を確認し、タイルの位置と目地の巾をしっかり検討します(タイル割り)。窓や柱の位置・壁面の巾や高さなど ぴったりとタイルが揃っている建物は非常に端正で美しいものですね。



 また タイルを割って それをランダムに貼っていく「モザイク貼り」という手法もあります。日本では建物にはあまり用いませんが、海外では歩道や公園や家具、アートワークなどに見られます。たとえば、スペイン バルセロナ・・・サッカー界のスーパースター ロナウジーニョ、アンリ、メッシ、デコが在籍し、リーガ・エスパニョーラの強豪チーム FCバルセロナの街として知られていますよね・・・今も建設中のサグラダファミリア教会(Sagrada Familia)の設計者 アントニオ・ガウディ氏・・・彼が設計したグエル公園(Park Guell)にはモザイクタイルによって意匠を施された優雅な曲線のベンチがあります。非常に美しく世界的に有名なスペインタイルの象徴にもなっています。


 タイル・・・その風合い・ 質感は いつの時代も心惹かれるものです。テイストのあるデザインには うってつけの材料ではないか・・・そう思われます。



(文:那須啓一郎



■参考URL

Antoni Gaudi  http://en.wikipedia.org/wiki/Antoni_Gaud%C3%AD

Sagrada Familia  http://www.greatbuildings.com/buildings/Sagrada_Familia.html

Park Guell  http://www.greatbuildings.com/buildings/Park_Guell.html

Lumiere&Luce http://lumiere-luce.seesaa.net/article/4081931.html


checker
1)人気blogランキング
2)デザインブログ
3)くつろぐ投票

なかのひと


今回も お読みいただき ありがとうございました