流麗かつ豊饒なるレシピ 松谷卓コンサート


 2月23日(土曜)・・・2件の住宅計画の打合せ後、夕刻 志太郡岡部町に向かいました。目的地は「町民センターおかべ」・・・「松谷卓 piano コンサート2008」の会場です。


 作曲者・ピアニスト 松谷 卓(まつたに すぐる)氏・・・彼の楽曲は テレビ朝日系「スーパーJチャンネル」、「二人の食卓〜ありがとうのレシピ〜」で演奏される事もあって、日常的な音風景としてお茶の間に響きます。中でも 「大改造!!劇的ビフォーアフター」のイメージが一番強いですよね。また、「いま、会いにゆきます」、「県庁の星」などの映画音楽も手がける 現在 大活躍のアーチストです。



 この 松谷氏・・・実は 静岡県志太郡岡部町出身なのです。今回は まさに「凱旋記念公演」・・・バイオリニスト 漆原直美さん、チェリスト 多井智紀さんと共にステージに立つトリオ構成・・・ なじみのある数多くの曲をじっくりゆったり 堪能しました。


 ここで 私が知る ありったけの音楽的ヴォキャブラリーを並べるならば(笑)・・・テンション、カウンターを盛り込んだジャジーな「多音の響き」、ミニマルミュージック、ポリリズムなどの現代音楽的な要素も散りばめられた「構成美」、楽器を通じた様々な表現で心を伝えようとした多井氏の「情熱的な即興性」・・・多面的に感動を頂く事ができるコンサートでした(セロニアス・モンクスティーブ・ライヒジミ・ヘンドリックス好みの私としては、このような比喩になり・・・クラシック音楽家を喩えに用いないところが自分らしいです=笑)。


 演奏の合間、自らMCとしてマイクを持った松谷氏から 「ビフォーアフター」のオープニングは、岡部町に住んでいる頃に手持ちの小型機械(おそらくミュージックシーケンサーでしょうね)を使って作曲したものだという「打ち込み」のエピソードが披露され、「なるほど、ピアノだけではなく リズムテイクを打ち込んでの作曲だからこそ新鮮さを感じるのか」と納得・・・手書きとCAD(コンピュータ製図)を併用する我々建築家も同じ思いを重ねる事ができます。


 手書きの良さもあります。CADの良さもあります。これは道具の違いだけでなく、明らかに発想の違いも呼び込んでいます。ゆえに「完成系」も変化しつつある現代・・・やはり「両方使える」というスタイルが強みでしょうね。頭は柔らかく かつ 広くアンテナをはりめぐらせるスタンスに「思わず同意!」でした(笑)。


 自分の頭の中も少し整理できたような気がします。素晴らしいライブ演奏を見ながら聴きながら感じながら・・・図面が まとまりました。こういう時、小林秀雄氏の「モオツァルト」を思い出します(笑)。これも貴重な経験・・・松谷さん、漆原さん、多井さん、誠にありがとうございます。


 ちなみに・・・その夜のコンサートは松谷氏が一番緊張していた御様子でした。やはり、幼い頃からの顔なじみが多い中でのパフォーマンス・・・普段と違う汗が出ますからね。その様子が よく伝わりましたよ(笑)。まぁ、それも御愛嬌という なごみの中のライブコンサート・・・心がホッとする一夜でした。


 ここで付け加えておきますと・・・2005年3月6日の「大改造!!劇的ビフォーアフター」において、アトリエMアーキテクツ 松永務氏 設計、久保田建設 施工の リフォーム・プロジェクト(静岡市清水区)が放送されています(詳しくはコチラをクリックして下さいね)。文末ながら・・・一応「つながり」のあるブログという事でした(笑)。


 松谷氏の次回静岡公演は 3月7日 昼・・・静岡市内でソロコンサートが催されるとの情報をゲット・・・そちらもお楽しみに!



(文:久保田正一



■参考URL

松谷卓「Informel」 http://www.informel.jp/

Informel Blog http://warp.typepad.jp/informel_blog/2008/01/post-df92.html

町民センターおかべ http://www.town.okabe.shizuoka.jp/team/okabe_map.asp

大改造!!劇的ビフォーアフター http://www.asahi.co.jp/daikaizo/

リフォーム D邸 http://kubota-kensetsu.co.jp/works/reform4.html

アトリエM 松永務氏 ブログ http://atelier-m-architects.at.webry.info/



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なかのひと


今回も お読みいただき ありがとうございました