フランス映画「ぼくの伯父さん」に注目 !



 昨晩、フランス映画「ぼくの伯父さん」を見ました。これはジャック・タチ監督・主演による1958年の作品で、アカデミー賞最高外国語映画賞カンヌ国際映画祭特別賞を受賞している名作です。以前から見たいと思っていたのですが、先日amazon経由でやっとDVDを入手する事ができました。


ぼくの伯父さん [DVD]

ぼくの伯父さん [DVD]


 コミカルなタッチの中に、近代文明(特に、1950年代のアメリカ西海岸に見られる魅惑のモダンライフ)に憧れるフランス人一家をシニカルに描いた作品です。いま見ても斬新なグリッドとカーブと飛び石によって構成されたお洒落なデザインのガーデン、真っ白でシステマチックなキッチン、白くて広いリビングルームに置かれたクールなデザインの家具、電動開閉のドア・サッシなど、モダンでクールな空間に身を置く事の面白さを全般にわたって語るフィルムです。リモートコントロールの噴水やセンサー式の電動ガレージドアのデザインも秀逸です。いや、いまの既製品よりも魅力的なものと言えましょう。


 実はこの映画 先日完成したhouse-Oの設計開始当初から気になっていました。クライアント(お客様)の希望を聞いているうちに、フランス的な空間テイストを感じ、京都に暮らしていた頃の記憶が甦ってきたのです。


 思い起こせば9年前・・・京都の友人宅で催されたパーティーに参加した時に「ぼくの伯父さん」がバックグラウンド映像で流れていました。ただし、その晩の私はデザイン談義に没頭していたようで、映画の内容は全くといっていいほど覚えていません。もちろんアルコール入りで(笑)。かすかに「庭とキッチンが面白いかな」という記憶だけを残しつつ・・・。


 ですから、「いつかは見ないと・・・」という潜在的な希望は持ち続けていたようで、それが、house-Oをデザインする事で花開き、鑑賞を実行する運びに至ったのです。ちなみに、house-Oは無垢のパイン材フロア、淡く彩られたイエロー・ブルー・グリーンの壁を見る限り映画の住宅とは雰囲気を異にします。ただ1点・・・ロジェールのガスコンロを見ると「これがぼくの伯父さん系かも〜」・・・そんな思いを馳せながら、1958年と1997年と2006年を重ね合わせた「ぼくの伯父さん」でした(笑)。



■写真:「ぼくの伯父さん」より  素敵だが十分にシニカルな2シーン

■URL :ロジェール社 http://www.rosieres.fr/accueil/index.htm


(文:久保田正一



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