間もなく完成 「エッジを持つ住宅」



 「エッジを持つ住宅」の工事が、いよいよ大詰めを迎えています。工事前から想定していましたが、やはり鋭角39度のエッジは色々な面で難しい工事となりました。外壁、内壁、床、照明、住設機器・・・建物の中に一つも直交座標がないため、「基準」を見出す事に大変なエネルギーを費やしています。また、いつもよりも多くの端材が出ています。現在の建設市場で流通している建材が長方形単位で規格化されているゆえ当然の事ですが、三角形の平面にあわせて材料をカットするたびに、他の部位に転用しがたい廃棄物も増えてゆくのです。今プロジェクトは、限られた敷地の中における最大限のスペース確保を目指しているので止むを得ない事ですが、変形建物の宿命として、材料・施工日数・人件費・残材廃棄などにかかるコストは一般的建築物より少々高めになるという事実を あらためて感じました。


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 しかしながら、この住宅は、それらの苦労を忘れさせてくれる刺激的なものになりつつあります。私は、この道路に挟まれた三角の狭小敷地に現れた白いエッジを見るたびに、1920年代にドイツの建築家フリッツ・ヘーガーの手によって設計されたハンブルクを代表する建築物「チリハウス(※)」を思い出します。もっとも規模や構造、素材、成立に至るコンセプト、工法、用途、デザインは全く違いますが(笑)。



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 クライアント(お客様)も完成形が見え始めた事で、新しい住まい生活のイメージが沸いてきている様子・・・楽しい会話が弾みます。


 近日中にオープンハウスのお知らせができると思います。狭小土地・変形敷地における暮らし生活の新提案を発見できる好例ですので、ぜひ御覧下さいませ。なお、事前にスケジュール確認されたい方は、「エッジを持つ住宅の件」として メールをご送付下さい。お待ちしております。


□□ 問合せ先 メールアドレス info2008@kc2.org (担当:久保田正一 ) □□



(文:久保田正一


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※20世紀初頭 ドイツ表現主義の時代に活躍したフリッツ・ヘーガーの代表作。
 ハンブルク市は1998年にチリハウス世界遺産として申請した(暫定リスト内)。


■写真上:「エッジを持つ住宅」 現在の様子


■写真下:「チリハウス


■「エッジを持つ住宅」 概要
・所在地:静岡市駿河区
・構造:鉄骨2階建+ロフト
・規模:1階=47平方メートル 2階=48平方メートル ロフト=20平方メートル)
・設計:Integrated Network kc2 + 久保田建設株式会社
・施工:久保田建設株式会社


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http://d.hatena.ne.jp/kubota_staff/20060729


今回も お読みいただき ありがとうございました。