世界遺産としてのルイス・バラガンの住宅


 昨晩は久々に夜ふかし・・・ TBS「世界遺産」を見ました。お目当ては建築家ルイス・バラガンが設計した一連の住宅作品です。住宅の世界遺産といえば、かつて当ブログでリートフェルト設計のシュレーダー邸をとりあげましたが(2007年1月22日)、この番組をリアルタイムで見るのは それ以来かもしれません。



 バラガンの建築・・・それはメキシコという土地柄を色濃く示したものと言われます。「CASA MEXICANA」の中でも主役はバラガンです。コンクリートの壁に極彩色の塗装・・・中でもピンク色のインパクトは強烈です。1990年代には日本でもピンクにトライしたデザイナーがいたと聞きます。しかし、そのトレンドが根づく事はありませんでした。なぜでしょう。この色彩にあわせるべき環境が日本には無いからです。「空気感」がなせる真実・・・建築にとって環境は読み込むべき必要条件なのです。


 そんなバラガンですが、世に紹介されたのは意外に最近・・・1980年を過ぎた頃の話です。日本では建築専門誌「 a+u 」1980年8月号に特集が組まれており、これが最も早い情報だったのではないでしょうか。当時、取材に赴いたのが建築家 山崎泰孝氏です。15年ほど前、山崎氏から当時のエピソードを直接に伺った事を思い出します。そんなきっかけもあってバラガンに興味を持ったのです。手元にある4冊の本・・・今も大切に保管しています。



 その建築構成が直方体・長方形によるシンプルな組み合わせである事からバラガンを「色の魔術」だけで語る人がいますが、それは間違いです。「色」とは「光」を操る事で はじめて空間に存在できるのであり、空間の連繋・シーンの積みかさねによって体感されるのです。また、バラガンが建物に緑色を使わなかったのは外部空間の木々からの映りこみを考慮したものであり、そこにランドスケープとの呼応が図られているからです。



 水と木々の構成・・・この写真はバラガンの生み出した空間の中で私が最も好きなものです。これを機に再びバラガンの住宅平面の秘密を見てみよう・・・そう思った日曜の晩・・・私にとっては十分な夜更かしでした(笑)。


(文:久保田正一



■参考URL(ルイス・バラガン 関連ページ)

TBS「世界遺産http://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20070218/onair.html

バラガン財団 http://www.barragan-foundation.com/

プリッツカー賞 http://www.pritzkerprize.com/barragan.htm


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今回も お読みいただき ありがとうございました