KASANE-HAKO reform 1
2000年に完成した住宅「KASANE-HAKO」（静岡県静岡市駿河区）のリフォームが現在進行中です。このプロジェクトは既存の住宅を よりよい環境へと向上させることを目的とした「実験的指向」をもって計画的に進められてきたものです。今回 3箇所の施工をおこないますが、まずは屋根工事からスタートです。
屋根は断熱性能を持ったガルバリウム折板を使用しています。断熱、雨仕舞いなどの通常使用には問題はないのですが、年に何度かやってくる大雨の際は雨音が気になります。私が一般住宅で採用する竪はぜ葺き・瓦棒葺きなどの屋根仕上げではガルバリウム鋼板が野地板と密着するため さほど雨音は気にならないのですが、空気層をもつ折板の場合は そこが一点 気になるものとなります。
今工事では、既存屋根の上に さらなる断熱層と屋根を重層させる方式をとります。まず桟木を流し、そこにスタイロフォーム（成形断熱材）が圧着された合板を設置してゆくのです。
施工後の様子です。
その上から透湿防水シートとアスファルト・ルーフィングを敷き込みます。
その後、周辺の笠木を調整しながらガルバリウム鋼板を竪はぜ葺きをしてゆきます。もともと将来の二重断熱実験を想定した設計ゆえ パラペットの高さも十分にあり、施工はスムーズに行なわれました。実働3日間で終了です。
もちろん屋根荷重も問題ありません。KASANE-HAKOは外壁全面に構造用合板＋筋交いを装着した剛壁を特徴としており、また その形状の良さから重心と剛心が限りなく近接し、耐震性能の高い建物となっているのです。今回の屋根荷重の増加についても、計画当初より想定してありました。これで大雨の時も安心です。また断熱性能もアップし、一年を通じて安定した室内環境が確保できる住まいにバージョンアップしたのです。
（文：久保田正一）
■参考URL■
KASANE-HAKO http://kubota-kensetsu.co.jp/works/new4.html
設計 Integrated Network kc2 http://www.kc2.org/
施工 久保田建設株式会社 http://www.kubota-kensetsu.co.jp/
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