「日経アーキテクチュア」で小田和正氏を読む

 今回も「日経」さんの情報・・・建築業界専門誌「日経アーキテクチュア」2007年5月14日号についての話です。この「日経アーキテクチュア」は年間購読制のため一般の方には馴染みが薄いものかもしれませんが、われわれ建築関連の者とってリアルタイムな建築情報を知るためのもの・・・そう、新聞のような役割を担っている雑誌です。



 今回の特集は「新生ネクストエー 建築を元気にする18人の提言」です。普段は建築関係者のオンパレードといった感のある中 かなりの新鮮味をもたらしたと言えましょう。小倉善昭氏、石山修武氏、内藤廣氏、梅垣春記氏、金田充弘氏といった建築の道を歩んでこられた方々に並んでインタビューを受けているのは、佐藤可士和氏、桜井進氏、シド・ミード氏、阿川佐和子氏、松山巖氏、都築響一氏、高野文子氏、林陽子氏、杉山知之氏、毛利衛氏、瀧口範子氏ら日頃建築とは一定の距離を保った方々です。


 我々も専門的な作業をしつつ、しかし、家づくりの場合は普通に家庭生活を送る方々とのコミュニケーションが必要ですから、なるべく「わかりやすい説明」ができるよう心がけています。そういう面からも 「他分野の識者からみた『建築』とは いかなるものか?」を うかがい知るよい きっかけを与えてもらったような気がします。


 そんな中、もっとも目を引いたのが、藤森照信氏(東京大学教授)と小田和正氏(ミュージシャン)の対談です。藤森氏・・・静岡の方ならば、「秋野不矩美術館」(浜松市二俣町)、「ねむの木こども美術館」(掛川市)の設計者として御存知の方も多いかと思います。人の手・生命を意識した温かみのある空間は誰もが心に感じいるものを与えてくれます。一方、小田氏・・・1970年〜1880年代に大きな足跡を残した「オフコース」のメンバーとして その名を広く残し、現在も幅広い活動をされているのは周知のとおりです。


 実は・・・この藤森さんと小田さん 東北大学工学部建築学科の同級生なのです。小田さんは、ここで4年間の学生生活を送った後、早稲田大学大学院に進学し、その後 音楽界に身をおくことになります。インタビューの中では音楽と建築の共通点・相違点を小田さん独特の口調をこめて語ってくれています。「『サビ』はトイレや階段を考える状況に似ている」、「いい加減にやるような仕事なら やらない方がいい」など・・・うなずけるコメントが多々あります。


 そんなコメントを気にしながら、過去の資料を整理していると・・・二年前 広島に出張した際のスナップ写真が出てきました(笑)。



 「house-yy」の設計監理に向かうため JR広島駅 新幹線口を出て信号待ちをしていた時の1枚です。実は「house-yy」のオーナーさん オフコースの大ファンだったのです。「その記念に・・・」と撮影したものでした。時代と話題が次々とつながってゆきます。


(文:久保田正一



■参考URL

日経アーキテクチュア http://www.nikkeibpm.co.jp/cs/mag/act/na/index.html



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