必見の復刻版 「都市のイメージ」


 建築・都市計画・まちづくり・ランドスケープデザインに関わる人間にとって待望の書籍が復刊されました。「都市のイメージ」です。


 原題を「THE IMAGE OF THE CITY」というこの書は、ケヴィン・リンチ(Kevin Lynch)氏によって1960年に記されたものです。リンチ氏はイェール大学建築学科修了後、タリアセンでフランク・ロイド・ライト氏に師事し、後にMIT(マサチューセッツ工科大学)アーバンデザイン学科教授、同大学都市デザイン研究所所長をつとめた「都市デザインを牽引した指導的人物の一人」です。アメリカの諸都市を対象地として、「パス・ディストリクト・ノード・エッジ・ランドマーク」という5つのキーワードによって抽象化し、わかりやすさ(イメージアビリティ)を我々に示してくれたのです。


 もちろん日本語版もあります。1968年 丹下健三氏と富田玲子氏によって翻訳されたこの本は、日本の都市デザインを分析・研究に基づき計画してゆくための教科書的な役割を永年にわたって担ってきました。



 しかしながら、この「都市のイメージ」・・・私たち建築家・ランドスケープデザイナーにとっての「よき原典」なのですが、なかなか再販されませんでした。いま明かしますが(笑)、実は私も原本を持っておらず、大学〜大学院時代を経て大学で教える身となった今に至るまで原書を図書館で借りて読んできたのです。


 そんな中、旧友から「原書が復刻される」という話を聞き、急いでアマゾン(amazon)で注文・・・数日後、「翻訳書も復刻される」という話を聞き、セブンアンドワイで注文・・・やっと2冊の新装版が手元に揃いました!


 内容は暗記しているようなものですから、今から新しい知識を得るものではありませんが、しかし、新たなものを生み出すためには原点に戻る事も必要です。その礎として手元に揃ったこの2冊・・・今後、大切に保管します。


 それにしても、英語版に比べて日本語版は厚いですね(笑)。英語版200ページ弱、日本語版300ページ弱・・・コミュニケーションにかかる表現手法の違いを感じる2冊です。


The Image of the City (Harvard-MIT Joint Center for Urban Studies Series)

The Image of the City (Harvard-MIT Joint Center for Urban Studies Series)

 



(文:久保田正一



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