明治神宮 文化としての照葉樹林


 秋も深まり、北の国から紅葉の知らせも届くようになりました。すごしやすく、天候も安定する この時期は、6月と並んで結婚式が多い季節でもあります。寿(ことぶき)の話を聞くのは嬉しいもの・・・今回、「幸せの発信地」とも言える明治神宮を訪れる機会に恵まれました。かつて、東京に5年間暮らし、今でも1年に20日ほど滞在している私ですが、明治神宮を訪れたのは今回が初めて・・・「GAギャラリーが思っていた以上に近い!」という認識を得たのも今回の訪問の成果です(笑)。機会を与えてくれた お二人に この場を借りて深く感謝いたします。



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 駐車場から御社殿に向かう中、目に飛び込むのが鮮やかな緑に彩られた木々です。これは照葉樹林(しょうようじゅりん)と呼ばれるもの・・・日本の社寺に多く見られますよね。「鎮守の森」と言われる由縁は、ここにあります。

常緑広葉樹が地を覆うように生育しているため、昼間でも地表の明るさは控えめ・・・樹種としては、高木がクスノキタブノキスダジイ、アカガシなど、低木がヤブツバキ、アオキ、ヒサカキなど、そして草本類では ヤブコウジ、ベニシダなどを さします。なんとなく聞いたことがある名前ばかりですよね。



 一般に、「神社=古く歴史のあるもの」というイメージを持つことが多いですが、この明治神宮は1919(大正9)年に創建されたものですから、歴史的には「近代」なのです(そういえば京都の平安神宮も「平安遷都1100年記念事業」の一環で造られましたよね)。整備計画は、本多静六氏、本郷高徳氏、上原敬二氏、原熈氏、大屋霊城氏、太田謙吉氏、森一雄氏、水谷駿一氏など 日本の林学・農学・造園学を支える方々によって進められたものです。


 いつも身近に感じることができる この照葉樹林ですが、実は、世界的に見て「守られるべき大切なモノ」なのです。高温多湿の夏と あまり寒くならない日本の冬によって、この森は育ちました。 照葉樹林の中は一年中湿気があり、あまり太陽光が入ってきません。一方、下まで枝のある落葉樹林とは違い、樹冠・樹高が高いため、人々が歩きやすい空間を構成しやすいのです。まさに、エリア全体を傘のように覆いつつ・・・。



 また、照葉樹林は文化を育む母体であるという学説もあります。たとえば、宮崎駿氏の映画に見られる「原風景像」も この流れに沿ったものと伺います。神々しい照葉樹林と・・・薪炭など人間の生活に密着した里山と・・・。



さてさて、イベントは これから・・・
次回は明治神宮の建築で目についた事を軽く語る予定です。
御社殿の大扉のカットと共に(続く)。


■参考URL

明治神宮  http://www.meijijingu.or.jp/
プチたび  http://puchitabi.jp/shimauma/2008/08/post-92.html
忘れんぼう http://blog.goo.ne.jp/mari-ot/e/d2d54cd1660cdc7a2ee7480ba94ec60c
アルピニスト野口健のブログ http://blog.livedoor.jp/fuji8776/archives/50985330.html



(文:久保田正一



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なかのひと


今回も お読みいただき ありがとうございました