明治神宮 美しき建築ディテール


 10/18のオープンハウス、10/19の庭師 園三(ENZO)さんとのランドスケープデザイン・スタディ、蕎麦処「きしがみ」さんでの食事会を経て今日に至ります。ご来場の皆様、園三さん、きしがみ さん お忙しい中、お時間を御用意頂きまして どうも ありがとうございました(詳報サイトは文末にて記しております)。


 さて、間が あきましたが・・・「明治神宮 建築編」と いきましょう。北参道から照葉樹林を抜け、車祓所、社務所を経て鳥居をくぐると・・・そこには神楽殿、さらに御社殿があります。この日は、我々が参列した結婚式以外にも20組以上の婚礼の儀が とりおこなわれたとのこと・・・一般の観光客の方々も含め、たいへんな賑わいを感じました。


 神社で気になるのは屋根・・・銅版葺きの屋根は独特なカーブ(反り)をもつ事で その品格を示します。



 神社の建築形式は、大社造(たいしゃづくり)・神明造(しんめいづくり)・八幡造(はちまんづくり)の3つが よく知られますよね。それぞれの建築形式で有名なのが、出雲大社伊勢神宮宇佐八幡宮ですが、この明治神宮は、これらとは別の「流造(ながれづくり)」いう名称で呼ばれます。「流造」は平安前期に起源をもつもので、「平入り」という神明造の特徴を持ちつつ、反りのある屋根を長く のばしたものを言います(神明造は直線的な屋根が特徴)。京都の下鴨神社と同じタイプですね。棟の形状も洗練されたイメージで見る者を魅了します。



 御社殿は四方を建物で囲んだ中庭形状となっています。



ここで興味を持ったのが、樋です。軒樋は あるのですが・・・竪樋(たてどい)が途中で止まっています。その先に鎖樋を使っているわけでもなく・・・この金属カゴを つたって地面に吸い込まれるのでしょうか。



 日本建築では「雨落ちをデザインする」という手法が あります。庭園まわりの茶室・廊下など 内部空間と外部空間を一体化する(あるいは空間の なめらかな連続性を求める)ことを目的とした時、「あえて樋を設けずに軒を伸ばして雨を砂利・砂の上に落とす」という しつらえをほどこします。これによって樋の存在を消すことができるのです。一般住宅においても、この樋デザインへの「こだわり」が、作品の品格を左右する場合があります。温故知新による新しいデザインの発想・・・その起源になりそうな・・・そんな予感を持ちながらの結婚式参列の一日・・・どうぞ末永くお幸せに!



(文:久保田正一


■参考URL
・10/18 オープンハウス 情報・・・http://kubota.eshizuoka.jp/e179388.html
・10/19 庭師 園三(ENZO)さん 情報・・・http://blog.livedoor.jp/enzo_garden/
・10/19 蕎麦処 きしがみさん 情報・・・http://kishigami.eshizuoka.jp/

■追記
・ココだけの話・・・http://manabekawori.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-d30a.html


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今回も お読みいただき ありがとうございました