GARDEN WORKS園三(ENZO) in 静岡


 記事が遅れ気味で申し訳ございません。ただただ 忙しかった12月です。皆様のおかげで仕事満載・・・完成、引渡し、契約、地鎮祭、着工、検査・・・と、様々なモノ・コトが輻輳する毎日・・・オフィスは公式には「休業」に入っているのですが、個人としては「あと2日」・・・少し仕事を残しつつも、ようやく建築ブログを進めることができる環境に なりました。


 ということで、まずは、先ごろ完成した「ur-house」の情報を お送りしましょう。


 昨年末より設計をスタートした「ur-house」は、春の着工から約半年を経て今月初旬に完成しました。閑静な住宅街の中でも、ひときわ上質な白い家・・・その特徴のひとつに「包まれて親しむ外部空間=中庭」があります。中庭は、室内に光や風を運ぶとともに、風景・環境をコントロールできる植栽空間としても効果を発揮します。今回、クライアント(お客様)から頂いた「枯山水を観賞しながらジャズを聴きたい」というキーワードのもと建物と調和する庭づくりを検討しました。



 今回、ともに設計・施工を進めてゆくパートナーとして お願いしたのが、ガーデンワークス園三(ENZO)氏です。実は・・・(以前にも書きましたが=笑)・・・園三氏は私の大学の教え子にあたります。彼との交流は、通常の授業だけではなく、夏のワークショップ、競技設計(コンペティション)など、気がつけば長く公私にわたった 10年来の つきあいになります。そんな園三氏も今や売れっ子の庭師・・・各種住宅雑誌に登場する若手造園家として、岐阜を中心に、愛知、滋賀、京都と多くの作品を手がける中、静岡での仕事は初めてとなります。今回は、(株)揖斐川庭石センターの宮川氏を伴っての登場・・・・全ての素材を大型車に積んで やってきました。


 私は園三さんに「建築の良さを理解した上での庭づくり」を お願いしました。これをふまえ、園三氏からは「ステンレスで美しい基準線を設定する」という提案を受けました。なるほど建築家としても理解できる素材選び(笑)・・・まずは柱(H鋼)と見切(L形アングル)の準備からスタートです。



 ステンレスのH鋼は、園三氏の手で独特の磨き模様が描かれました。まるで床柱(とこばしら)で有名な京都 北山杉の磨き丸太のごとき魅力的な模様です。



 次に、淡い緑色の大谷石を設置・・・庭空間と建物を つなぐ魅力的な素材です。



 地面にはL形アングルによって2つの四角形が描かれ、石と苔が仕切られています。これにより境界の持つ意味・美しさが表現されます。さらに、「間」に白川砂を敷きこむことで、空間の清潔感は増します。



最後に、ステンレス柱の間に切りそろえられた竹を設置して完成・・・美しく現代的な御簾垣(みすがき)ですね。


 この作庭に要した期間は3日・・・見事なデザイン展開により、この庭は、いわゆる「懐古趣味」とは一線を画すものとなりました。ヤマモミジ、オカメザサ、スギゴケ、白川砂、庵治石、揖斐石・・・全てが見事に構成されたクールなテイストを創出することに成功しています。さすが園三さん・・・私の意図を しっかり汲んで空間を創ってくれます。いい教育を受けていますね(笑)。



 ブログの記述も丹念な園三氏・・・手持ちのデジタル一眼カメラでの撮影にも余念がありません。この記録のキープが今の彼を支えているんでしょうね。これをみても、いい教育を受けていることがわかります(笑)。


 これにて「ur-house」の作庭は無事完成・・・彼らは次の現場へと向かってゆきました。 また一緒に仕事ができることを祈りつつ・・・



(文:久保田正一



■参考URL
・GARDEN WORKS 園三 ENZO http://www.enzo-garden.net/
・園三日記 http://blog.livedoor.jp/enzo_garden/
・(株)揖斐川庭石センター http://www.niwaishi.co.jp/
・宮川氏ブログ1 http://ameblo.jp/niwaishi/
・宮川氏ブログ2 http://blog.smatch.jp/niwaishi/




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今回も お読みいただき ありがとうございました